(税理士試験)先輩受験生に教えて貰った素読みフローチャート
税理士試験は基本的に時間との勝負です!
・いかに時間内に自分が解ける問題を探し出して解答をしていくか
・逆にみんなが解けないであろう難問、未学習問題をどれだけスルー出来るか
膨大な文章量で出題される税理士試験の特性上、上記の判断能力は合格を掴み取るうえでは必須となります。
目次
素読みを行う重要性
さぁこの段落のタイトルに出てきた〝素読み〟という言葉、税理士受験の初学者の人は聞き馴染みが薄い人もいらっしゃると思います。
僕自身、授業で先生が素読みの解説をいきなり始めた時には「この人は何を言っているんだ」と一瞬困惑しました。
ですがこの素読みこそが、税理士試験で合格水準に到達するためには必須の作業となるのです。
素読みとは全体を俯瞰する作業
さて素読みの重要性を訴え終えたところで、素読みとは一体なんなのかを説明して行きたいと思います。
試験開始の合図と同時に全体を俯瞰し自分が解ける問題、スルーすべき問題を大まかに判断する作業です。
この作業を最初の段階で行うことによって、
・全体の問題の分量を把握し
・全体の問題の難易度もざっくりと把握することが出来ます。
・そして素読みを行いながら自分がこの時間内で解くべき問題の選別を付けたあと
そこからようやく問題と正面から向き合うのです。
フローチャートの解説
今回の記事で紹介する素読みの判断基準は、簿記論や財務諸表論・法人税法や相続税法などの個別の科目毎に対応した具体的なフローチャートではなく、
あくまでも税理士試験を通して全科目に通用する、概念的な素読みの方法を紹介して行きたいと思います。
ステップ1 その問題は既に学習済みか?
まず最初に行うことは、いま問われている問題が既に授業や演習で学習した論点かを判断することです。
税理士試験の本試験では、いままで学習して来た論点のみで問題が作られているという訳では無く、大抵毎年誰も見たことも解いたことも無い論点が出題されています。
その際にうろたえることなく解答の判断をするためにはステップ1の作業が必要になります。
〇 この問題は学習済み → ステップ2へすすむ × この問題は未学習 → いったん後回し(問題番号に×等をつけておく)
ステップ2 その問題はテキストレベルか?
ステップ1をクリアし学習済みの論点であると判断したあとは、その問題のレベルを把握します。
判断の基準としては、それが今まで学習してきたテキストのレベルかどうかです。
・テキストで学んできた /設問 /補足 /注意 /(研究)/
・問題集で解いてきた /Aランク /Bランク / (Cランク)/
この範囲の問題が出されれば、みんなが確実に解答してくる範囲となります。
逆にこの範囲以外でしたら、多くの人がパスをする範囲となるでしょう。
〇 この問題はテキストレベル → ステップ3へすすむ × この問題はテキストレベルを超えている → いったん後回し(問題番号に△等をつけておく)
ステップ3 その問題の量の多さは?
ステップ2をクリアしテキストレベルの論点であると判断したあとは、その問題の〝量〟を把握します。
簿財でいうと、有形固定資産や有価証券・退職給付引当金の問題などで、問題の量が多く時間が掛かるモノが出題された時には冷静にステップ3の手順を踏んでいきましょう。
〇 この問題の分量は少なく直ぐに解答可能 → 優先的に解答すべき問題(問題番号に◎等をつけておく) × この問題の分量は多く解答に時間が掛かる → いったん後回し(問題番号に〇等をつけておく)
ステップ4 ◎から優先的に解答を始める
ステップ3をクリアし優先的に解答するものが決まったら、パスをした問題たちには目もくれません。
真っ先に◎の問題から解答を進めて行きます。
パスをしたものは後半に回し、優先問題を解答し終わった後にじっくり取り掛かる様にしましょう。
まとめ
今回のフローチャートの図には書いていませんが、素読みの段階で行うことには勿論
・当期の会計期間(+一年基準) ・当社の会社名(○○を取り扱う 〇〇会社) ・貨幣単位 (円 、千円) ・税効果の実効税率 (○○%) ・円未満の処理方法 (切り捨て・四捨五入) も含まれていますし、これらは最初の段階でA4の用紙に明記しておきましょう。
最後に注意点としては、素読みの段階ではステップ1~3をクリアした問題だとしても、実際に解答に取り掛かると実は高レベルの問題だったということも起こります。
その場合もその問題は一旦パスをして、他の優先問題の解答に移りましょう。
大事なことはまずは最初にリズムに乗ることです。
フローチャートをパスした簡単な問題から解答し、〝よし、イケる〟という感覚を持ってから解答を進めて行きましょう!