税理士登録に必要な「2年の実務経験」は、これから先どんどん積みにくくなりそう

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慧すけ(秋山慧介)

2017年9月より、生き地獄といわれる税理士試験に挑戦する管理人慧すけが、日々の思いを赤裸々に綴っております。 姫路の秋山税理士事務所(相続専門)に所属。2019年4月より大阪産業大学大学院(梅田サテライト)へ進学。 現在164記事を投稿中!

 

僕たち税理士受験生が税理士の資格を取得する条件には、会計科目、税法科目の5科目を揃えたあと

2年以上の実務経験が必要とされています

これは試験において5科目全てを合格した人も、税理士試験免除制度を使用して5科目を合格した人も同じです。

唯一、この条件に該当しないのが国税従事者における免除により税理士になった人ですね。

国税従事者における免除

10年又は15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法に属する科目が免除されます。

23年又は28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計学に属する科目が免除されます。

 

上記の様に、税理士登録に必要な2年の実務経験を免除を申請する時点で既に積んでいるからです。

ですが現状それ以外の人については、どんな合格ルートで税理士試験を突破したとしても、この2年の実務経験というものが税理士登録には必須となっています。

 

税理士試験の概要を知ろう

2017.09.03

 

ここで問題となって来るのがこの2年の実務経験という壁です。

これから人工知能(AI)が大きく幅を利かしてくるであろう会計業界で、果たして僕たちの世代や僕たちの下の世代の人は無事に実務経験を積むことが出来るのでしょうか?

 

人工知能問題のド真ん中に位置する会計業界

この、みんなが大好きな〝AIが人間の仕事を奪う問題〟については現在様々な見解が入り乱れている状態で、

・シンギュラリティ(技術的特異点)は2045年に起こる

・いや人間はAIを過大に評価している、シンギュラリティは当分引き起こされることは無い

など、各方面の頭の賢い人たちが日々論争を繰り広げています。

補足
シンギュラリティとは人工知能が人類よりも賢くなり、技術進歩を担い、人工知能がより賢い人工知能を生み出すサイクルを生み出す点のことをいいます

ですがその人口知能問題の中でも、かなり話題のど真ん中に位置しているのが我々のいる会計業界です。

人工知能と税理士業界の今後については、沢山の税理士ブロガーの方達が書かれているので興味のある方・不安のある方は色々な先生方のブログを読んで頂くとして、

僕は税理士受験生という立場なので、税理士となった後の人工知能問題も重要ですが、それ以上に税理士になる前に必要な実務経験がこれからの世界では積めるのかということの方を、より身近な問題として捉えています。

 

新人を育てるような基本的な業務は、恐らくAIがこなしてしまう

僕自身は相続専門の税理士事務所に在籍しており、普通の会計事務所に勤めた経験がありません。

なので、そこでは新人として勤務した時にどんな仕事内容を振られるのかなどはイマイチ良く分かっていないのですが、恐らく入所1日目のド新人に5年目の職員が担当するような仕事は振られないでしょう。

最初の内は基本的な業務を振られ、そして徐々に難しくて歯ごたえのある仕事を任されていく筈です。

(会計業界はブラックと聞くので、初っ端から高難度の仕事を振って来る事務所もあるかもですが(~_~;)

ですが、上述したようにこれから先の会計業界では、新人を育てるような基本的な業務はAIが喜んで処理してくれるでしょうね。

その結果、そこに僕たち新人が入り込む余地は無くなって行き、税理士試験に合格しているにも関わらず2年の実務経験を積むという最後の条件が満たしづらくなるのです。

 

現状でも実務経験を積むのは難しい

上で述べてきたような世界が訪れるのは、まだもう暫く先の話になるでしょう。

しかし、実務経験を積む難しさというのは決して未来にのみ訪れる問題では無いのです。

今現在の2018年においても、会計業界で税理士の免許申請の為に2年の実務経験を積むということは大変な苦労を要する人も沢山いらっしゃいます。

ただ、実習制度がある程度整った上記資格と違うところは、税理士は、あくまで自分の力で実務経験を積む会計事務所を探し、2年間の実務を積んで、所長の証明印をもらわなければいけないということです。

税理士試験は年齢制限がなく受験出来ますので、何歳からでもやりたいと思えば挑戦出来ます。しかし試験は乗り越えられても一定の年齢に達した方は、雇ってくれて実務経験を積む会計事務所がなかなか見つからないのが現実でしょう。

また、徒弟制と言われる私から見たらあまりいいとは思えない税理士業界の体質を強化しているのもこの制度が一因であると思います。実際には所長先生を怒らせたら、証明印がもらえないという恐怖感が勤める方にはあるのではないでしょうか。

もちろん、所長を怒らせても、法的な問題があろうからすぐ解雇はされないでしょう。ただ小さい会計事務所で行われることですから、仕事を過重に与えられる、上からの権力を行使することでメンタルを傷つけられることが原因となって退職せざるをえなくなる可能性もあります。

そうなると、その勤めた期間の証明印は二年なくても貰え、その不足分を他の会計事務所に勤めて貰うことになります。ただ、現実的には感情がこじれてもらえなかったりするリスクもあります。

また1年半で退職し、残り半年だけ雇ってくださいと別の会計事務所へ就職しても最低三年は勤める気がないと雇わないと考える事務所も多いでしょう。そうなると税理士として独立しようと考えている人にとっては、実質的に独立の時期は大幅に遅れてしまうことになります。

今西学税理士 税理士資格取得のために必要な実務経験2年は検討の余地ありでは? より引用

 

まとめ

慧すけ

今日の記事は、まだ会計事務所での勤務経験が無いという僕の受験仲間の人に向けて書いてみました。

別に、「早く経験を積んでおかないと5科目とっても2年の実務経験を積める場所が無くなって行くぞ!」と脅している訳ではないのですが、会計業界の未来は決して前途洋々で燦々と輝いているという様なモノでは無いのは確かだと思うので、早め早めに税理士になる為の条件を満たしておいて損は無いと思います。