(刺激的な一日)昨日は人生で初めて父の税務調査に同行しました

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慧すけ(秋山慧介)

2017年9月より、生き地獄といわれる税理士試験に挑戦する管理人慧すけが、日々の思いを赤裸々に綴っております。 姫路の秋山税理士事務所(相続専門)に所属。2019年4月より大阪産業大学大学院(梅田サテライト)へ進学。 現在164記事を投稿中!

 

昨日12月13日は、あるお客さんの相続税の税務調査に父の付き人として同席させて頂きました。

以前から父より税務調査の内容や雰囲気等は度々聞いていたのですが、その場で味わった雰囲気は実際に聞くと見るとでは大違いでした。

今日の記事は昨日の税務調査の、
・依頼者の自宅に到着してから、調査が終わるまでの一連の流れと
・税務調査に同席させて貰い感じたことを書いていきたいと思います。

 

税務調査の流れ

 

朝9時45分頃 相続人の方の自宅に到着

本日調査を受けられるお二人に挨拶をし、10分程度雑談

お二人とも税務調査を初めて経験されるということで凄く緊張されていました。

その緊張をほぐす様に父が窓から見える蜜柑の話など、他愛もない話をして10分程の時間をみんなで過ごします。

 

10時 税務職員の方が来訪

税務職員の方お二人(上司と部下)が来訪。相続人の方に挨拶をされた後テーブルを囲んで10分程の雑談

父から事前に聞いていた通り、基本的に一般家庭においての税務調査は、調査官と上席(上司)の方2人で担当されるらしく、その日も税務職員の方がお二人定刻丁度に来訪されました。

その後は、その場に集まった全員で名刺交換をした後に10分程の雑談をします。

この時僕が以外に思ったのは、調査官の方達が訪問されてからの空気感ですね。 

この空気感が驚くほど和やかだったのでビックリしました。

税務調査なんて、普通の一般人はそうそう経験するモノではありませんから、そうなるとやはりイメージとして浮かべてしまうのは〝マルサの女〟などの映像で、物々しい雰囲気のスーツ姿の人たちが仏頂面で家をくまなく動き回り高圧的な態度で接してくるみたいな、そんな偏見を勝手に持っていました。

しかし実際は、調査官のお二人は凄く低姿勢で柔和な雰囲気で場を進行されていたので、この部分は実際に体験をしてみて大きく認識が変わった部分ですね。
(父に聞くと、調査官にも色々な人がいるので重苦しい雰囲気の中で調査が進行される場合もあるようですが・・。)

 

10時15分から12時

調査開始

ここからいよいよ本題に入っていきますが、ここからは基本的に税理士は出しゃばらず、調査の殆どは調査官と相続人の方の両者の会話で進行して行きます。

調査官からの質問
・今回亡くなられ財産を残された方(被相続人)と、その相続人を含めた詳細な家族構成

・被相続人のお亡くなりになる前の病状(かなり詳しく)

・被相続人自身が行っていた財産の管理方法

・被相続人が亡くなられる以前の財産の流れ・行方

・過去に被相続人から贈与を受けたことがあるか

・被相続人からの直接的な金銭の貸し借りはあったか

・相続人の方自身が現在管理している銀行口座について
などなど

上記の様な質問と応答のやり取りが1時間半程の時間を掛けて続きます

 

12時から13時

核心部分の調査

上記の質問が一通り終わった後、いよいよ今回の税務調査の核心部分である、

〝被相続人の方から奥様に対しての名義預金についての件〟において、調査官からの質問が始まります(唐突に名義預金というワードを出してしまいましたが、名義預金という物は以下の様な物を指します)

※以下に名義預金について説明を行っていますが、読むのが面倒な方は飛ばして貰っても問題ありません。

 

現在の相続税の調査において、銀行預金などで今一番問題になっているのが名義預金というものです。 

名義預金というのは、妻名義、子供名義、孫名義といったように家族名義になっていますが家族は実質の預金者ではないという預金です。仮名預金と違って、実在する人名義の預金です。 

家族名義の預金で、子供や孫に贈与税の基礎控除110万円の範囲内で毎年預金をしているような場合など、税務署は実際は誰の預金かという事を問題にします。 

なぜなら、贈与者は贈与税の基礎控除の範囲内で毎年受贈者である子供の預金口座又は孫の預金口座に預金を繰り返していて贈与の形は整っているのですが、その実質は贈与をしたつもりになっているものが実に多いからです。 

贈与をしたつもりとはどういう事かといいますと、贈与といいますのは、民法上は贈与者が『あなたにお金を差し上げます。』、受贈者は『はい、頂きます。』という契約なのです。
また、受贈者は贈与によってお金を貰った訳ですから、そのお金は受贈者が自由に管理運用できるという事になります。

未成年の子供に贈与をした場合に、お金を未成年の子供の自由にさせるのかという難しい問題はありますが、基本的には贈与によりお金を貰った訳ですから受贈者が自由に管理運用するのが原則です。 

例として、このような預金があります。
子供や孫名義で預金をされていますが、預金通帳(預金証書)や銀行カードはしっかりと贈与者である祖父母や父母が握っておられる。

未成年者であれば、そのような状況であっても理解できないこともありませんが、中には既に嫁いだ娘の預金通帳や他で暮らしている次男や次男の子供(孫)の預金通帳などを贈与者が持っているのであれば税務署から名義預金として実質は贈与した祖父母や父母の預金と指摘されても反証はなかなか難しいでしょう。

秋山税理士事務 名義預金の判定ポイント6か条より一部引用

 

ここからは明らかに調査官の声のトーンといいますか、雰囲気が変わったのを感じましたね。

この段から、いままでは出しゃばることなく調査官と相続人の方のやり取りを聞いていた父も調査の会話に参加し出します。

そんなやり取りの最中、ここで調査官の方からこの一言が飛び出しました。
「本日はお母様(被相続人の奥さん)とお話することは出来ますでしょうか?」

実は依頼者のお母さんはこの日、この調査の場に同席していませんでした。

お年が92歳というご高齢の方ですし体調も優れなかったという理由なのですが、お母さんが住まわれているご自宅が、いま調査の場となっている依頼者の方の家から徒歩で5分程で行ける場所ということで、そこから間髪入れずに場所をお母さんのご自宅に移して税務調査の第二ラウンドが始まります。

(お母様はさぞ驚かれたでしょう、アポイント無しでスーツ姿の男たちがゾロゾロと家を訪問して来たのですから)

 

13時

調査終了

結果ご自宅で応対したお母様の受け答えが素晴らしく(父曰く120点の返答)

調査官のお二人が帰られる際は、今回の調査の核となる目的物を掘り起こすことが難しかったのか、若干意気消沈されたような面持ちでした。

 

13時から13時15分

依頼者の方たちとの雑談

今日の調査は無事に終り、結果は後日ご連絡をさせて頂きますということで調査官のお二人は帰られ、その後は再び僕たちと相続人の方達だけで15分ほど雑談をし、依頼者の方の家を後にしました。

13時15分~

依頼者のご自宅を出て車中で父への質問攻め

ここからの帰りの車中では、もう今日の税務調査について僕から父への怒涛の質問ラッシュでした。

止まらない質問
・何で調査官の人はあのタイミングで被相続人の詳しい病状を聞いてきたの?
・何故父さんはあの時に被相続人の趣味の話を切り出したの?
・税務調査において税理士ってもっと前面に出て喋るものではないの?
・今日の調査官のお二人は、元調査官の先輩から見たらヤリ手の2人でしたか?

上記以外にも、色々と人の心理や交渉のポイント等も調査官目線の父の経験を交えて教えて貰い、とても有意義な帰り道でした。

 

まとめ

慧すけ

昨日は人生で初めて相続税の税務調査に同席させて頂いたのですが、本当に凄く貴重な経験が出来ました。

自分も税理士となった後には、あの空間の中で顧客の方の為に奮闘しなければならないんだなと思い、より一層税法や交渉、人の心理に関する勉強を頑張ろうと思えたとても貴重な1日でした。